糸魚川市は新潟県の西端(せいたん)にあり、中央を姫川(ひめかわ)が南から北へ流れています。この谷に沿って大(だい)断層(だんそう)「糸魚川(いといがわ)-静岡構造線(こうぞうせん)」が走ります。糸魚川市の西の端には北アルプス、南～東には頚城(くびき)山塊(さんかい)が連なります。

最高と最低

最も高いところは小蓮華山(これんげさん)（標高2,766m、新潟県最高峰）、最も低いところは海岸（標高0m）です。

地層(ちそう)の差、およそ5億年

大断層(だいだんそう)「糸魚川(いといがわ)-静岡構造線(こうぞうせん)」をはさんで、西側は地質(ちしつ)学(がく)的に「西南日本」、東側は「東北日本」と呼(よ)びます。つまり、糸魚川には西南日本と東北日本の両方があるのです。

西南日本側には、古生代・中生代の地層(ちそう)や岩石が分布し、5億年前のヒスイや、3億年前の石灰岩(せっかいがん)からなる明星山(みょうじょうさん)・黒姫山(くろひめやま)などがあります。

東北日本側（フォッサマグナ地域(ちいき)）には、フォッサマグナの海にたまった新生代の地層(ちそう)が分布し、1,400万年前の泥岩からなる火打山(ひうちやま)や、3,000～700年前の安山岩からなる焼山(やけやま)などがあります。

地質(ちしつ)・地形と生物の多様性(たようせい)

糸魚川には、標高2,766mの高山から0mの海岸までの多様(たよう)な地形と、多様な地質(ちしつ)があります。糸魚川(いといがわ)のこれらの多様な地形に合わせて、ライチョウやオコジョなど高地(こうち)性の動物や高山(こうざん)植物から低地の動植物まで多様な動植物が生息します。

糸魚川に2つの国立公園（中部山岳(さんがく)と妙高(みょうこう)戸隠連山(とがくしれんざん)）があることが、自然の豊(ゆた)かさを物語っています。