沿革

開館前のあゆみ

1987年

フォッサマグナと地域開発構想

フォッサマグナを中心とした学術的解明と情報収集、施設整備を行い、自然系資源と文化系資源を融合させ、糸魚川を専門家や学生、一般の人々による地球探訪の場とする提言がなされた。この中には、博物館の設置・糸魚川- 静岡構造線の発掘・地質巡検コースの設置・地域の特産品の開発なども含まれている。

1989年

糸魚川市博物館構想

「フォッサマグナと地域開発構想」を受けて、1989 年に信州大学の故山下昇名誉教授が、地質専門の学芸員の雇用などを含む博物館構想をまとめた。
故山下名誉教授は、ナウマン博士の研究論文を残し、開館後の博物館の名誉館長に就任した。

1990年

フォッサマグナパークオープン

1987 年の「フォッサマグナと地域開発構想」に断層露頭見学地の開発が挙げられたことで、新潟大学の故茅原一也名誉教授が中心となり、断層露頭の探索が実施された。その結果、糸魚川市の根知川右岸に断層露頭を発見し、1990 年に掘削と整備が行われ、フォッサマグナパークとして公開された。

1991年

ジオパークを造語

糸魚川市内のヒスイ峡やフォッサマグナパークなど地質的な見どころが、博物館の宮島学芸員によって、「ジオパーク」と名付けられた。
ジオパークという言葉やロゴマークが世界に先駆けて使用され、パンフレットや野外解説板に使用された。

開館後のあゆみ

西暦出来事
1994年フォッサマグナミュージアムオープン

1994年4月25日

フォッサマグナミュージアムオープン

1992年から建設が進められていたフォッサマグナミュージアムがこの年にオープンした。展示室は、第1展示室「地球誕生」、第2展示室「魅惑の石たち」、第3展示室「大地のロマン」、第4展示室「人間と石」、現在の第6展示室がフォッサマグナホールであった。また、ナウマン博士のご令孫を招いてオープニングイベントが実施された。

西暦出来事
1994年フォッサマグナミュージアムオープン
4月~11月特別展「ミュージアムができるまで」
11月~翌5月特別展「新着標本の紹介」
1995年友の会設立
5月~7月特別展「地震を知る」
8月~11月特別展「戦争と地質学」
11月~翌年3月特別展「新着標本展」
1996年7月~11月特別展「アンモナイト展」
1997年4月~6月特別展「ヒルゲンドルフ展」
7月特別展「小野健ふるさと自然写真展」
8月特別展「隕石展」
1998年糸魚川石発見
7月~8月夏季特別展「宝石展」
1999年蓮華石発見
7月~8月特別展「日本の金鉱石展 ―黄金の国ジパング―」
2000年松原石発見
7月~10月特別展「糸魚川・西頸城の化石展」
2001年7月~10月 特別展「日本の新鉱物展」
2002年7月~9月特別展「フォッサマグナの海獣展」
2003年日本地質学会表彰
1月特別展「北海道のアンモナイト」
3月~5月特別展「野山をかけた少年とチョウ」
7月~9月特別展「ニュートリノ展」
特別展「ふしぎな石展」
2004年7月~10月特別展「ふるさとの翡翠展」
8月~9月特別展「故安藤法授先生・鉱物コレクション展示展」
2005年8月特別展「飛ぶ翔ぶ展」
7月~10月特別展「生誕150周年記念 エドムント・ナウマン展―フォッサマグナの発見と日本の地質学への貢献―」
2006年来館者数累計70万人を記録
4月~6月特別展「北信越の新生代の化石展」
7月~8月夏季特別展「中部地方の鉱物展」
9月~11月秋季特別展「動物の子育て展」
2007年7月~8月夏期特別展「腕足類展 ―太古の海の成功者―」
11月~12月科博コラボミュージアム「糸魚川は大地のワンダーランド」
9月~11月秋季特別展「氷河期の動物展」(青海)
2008年日本ジオパーク認定
4月~翌年4月特別展「世界ジオパークを目指して -糸魚川のすばらしい地質遺産-」
10月~11月特別展「人とオオカミ展」(青海)
11月~翌年3月新潟大学コラボレーション展示会「頭足類展 ―アンモナイトとその仲間たち―」
2009年世界ジオパーク認定
4月~9月特別展「世界ジオパーク展 ―日本最初の認定地をめざす糸魚川―」
8月~11月特別展「糸魚川ジオパークの動植物」(青海)

2009年8月23日

世界ジオパーク認定

2007年に日本ジオパークに認定されていた洞爺湖有珠山ジオパーク、島原半島ジオパーク、糸魚川ジオパークが、2009年8月23日に日本で初めて世界ジオパークに認定された。糸魚川ジオパークの活動は、フォッサマグナミュージアムや友の会の活動が深く関わっており、これ以降、ジオパークの中核施設として博物館が機能していくことになる。

西暦出来事
2009年9月~11月特別展「おめでとう世界ジオパーク 糸魚川ジオパーク展」
2010年2月~4月特別展「佐渡金銀山を世界遺産に! ―新潟大学の取り組み―」
7月~8月特別展「糸魚川ジオパーク 縄文時代から生き続けてきた森」
2011年1月小滝で日本最古のサメの歯化石コクリオドゥスを発見
5月小滝の石灰岩から甲殻類の化石サイクラスを発見
7月~8月特別展「糸魚川ジオパークの貴重な動植物」(青海)
10月石の絵画展「アートで感じる糸魚川ジオパーク」
12月青海石灰岩中から甲殻類の化石サイクラスを発見
2012年来館者数累計100万人を記録
7月~9月特別展「糸魚川ジオパークの移り変わる生き物たち―気候変動と人間の影響で変わる生物分布―」(青海)
2013年6月~7月アクティブ・レンジャー国立公園写真展
7月~8月特別展「ノーベル賞を受賞した日本の科学者」
7月~9月特別展「危険な動物展」(青海)
9月~10月特別展「微化石展-地層の中の小さな芸術品-」
10月~11月特別展「教授を魅了した大地の結晶-北川隆司鉱物コレクション200選」
2014年4月新潟県最古の硬骨魚類化石を発見
4月~6月特別展「髙瀨昭男の世界」
7月~8月特別展「糸魚川ジオパークの危険な植物たち」
8月夏季特別展「出張地すべり資料館」
9月リニューアルに伴う臨時休館
2015年3月リニューアルオープン

2015年3月9日

フォッサマグナミュージアム リニューアルオープン

1994年に開館したフォッサマグナミュージアムが、北陸新幹線開業等を受け、リニューアルオープンしました。館内の展示物はすべて刷新され、第1展示室「魅惑のヒスイ」、第2展示室「糸魚川 大陸時代」、第3展示室「誕生 日本列島」、第4展示室「変わりゆく大地」、第5展示室「魅惑の化石」、第6展示室「魅惑の鉱物」となった。糸魚川市内の閉館した青海自然史博物館の標本がフォッサマグナミュージアムに移動し、化石などの展示物がより魅力的となった。また、フォッサマグナシアターなどの映像で日本列島誕生やヒスイの成因などをダイナミックに伝えることができるようになった。

西暦出来事
2015年6月~7月特別展「糸魚川世界ジオパークの昆虫たち」
10月~11月特別展「福岡幸一版画展 北海道1億年・アンモナイトの世界」
2016年10月~12月特別展「焼山の噴火に備えて -火山を知って命を守る-」
12月新潟県最古の化石(礫岩中の礫からシルル紀放散虫)を発見
2017年9月~10月新潟県埋蔵文化財センター巡回展「縄文の美 ―六反田南遺跡―」
11月~12月特別展「糸魚川と北陸の恐竜時代の化石 -手取層群の化石からわかる大地のすがた-」
11月橋立金山産自然金の発見
2018年来館者数累計150万人を記録
2月~3月企画展「糸魚川ユネスコ世界ジオパークの軌跡-10年のあゆみを振り返って-」
3月~4月地震・活断層巡回展「2016年熊本地震 活断層に備えよう」

2018年8月1日

フォッサマグナパーク リニューアルオープン

1990年にオープンした糸魚川-静岡構造線の断層見学公園であるフォッサマグナパークが約30年ぶりにリニューアルされた。見学に支障のある擁壁を撤去し、露頭を掘削することでダイナミックに断層を見学することができるようになった。その後、フォッサマグナパークは糸魚川を代表するジオサイトとして、NHK「ブラタモリ」などにも登場することとなる。

西暦出来事
2018年9月~10月特別展「宝石の国展」
11月~翌年2月特別展「翡翠展」
2019年4月ナウマン家と友好協定を結ぶ
6月青海川で発見されたサメの歯化石に初めて学名(軟骨魚類ペタロドゥス科)が付く
10月~12月特別展「日本列島の歴史を変えた石展」
2020年4月~5月新型コロナウイルス感染症拡大による臨時休館
2021年4月~5月巡回企画展「放散虫展」
7月~11月開設50周年記念特別展「アルプスと海をつなぐ栂海新道~大縦走路の軌跡~」
11月NHK「ブラタモリ」で糸魚川放送
2022年7月~8月企画展「海のアート展-海の未来とSDGs-」
9月~11月企画展 県の石選定記念「みんなのヒスイ展」
10月~11月特別展「太古の海の化石展 -糸魚川の大地の歴史を語る証人たち-」
11月糸魚川のヒスイが「新潟県の石」に選定される
2023年4月糸魚川-静岡構造線モニュメント設置
7月~9月特別展「石のまち糸魚川展」
2024年3月~4月ジオパーク巡回展「地球時間の旅in糸魚川」
4月フォッサマグナミュージアム開館30周年
4月~6月特別展「すごろくでたどる!フォッサマグナミュージアム30年の歩みとこれから」